AGAは、Androgenetic Alopeciaの略で、日本では男性型脱毛症とも呼ばれ、まだ毛が薄くなったり抜けたりするのには早い20代から50代の男性に発症する脱毛症のことを指す言葉です。この脱毛症の原因としては遺伝によるものや男性ホルモンの影響などが原因であることがわかっており、そのための治療薬も登場しています。治療薬の多くは発毛を目的にして開発されたものではなく、発毛は副作用として発見されたものが中心で、現在は発毛薬として発売されており、この発毛薬の有効成分を含んだ発毛剤も一般薬として販売されています。現在、発毛の効果が認められている薬としては内服薬のプロペシアや外用薬のミノキシジルがありますが、国内の市販薬としてはミノキシジルを含んだ薬用発毛剤のみしかありません。そのため専門の医療機関や個人輸入などを使うことで薬を購入することになります。
またプロペシアやミノキシジル以外にも日本皮膚学会の男性型脱毛症ガイドラインの中で認められているものとしては、塩化カルプロニウム外用、t-フラバノン外用、アデノシン外用、サイトプリン・ペンタデカン外用、ケトコナゾール外用などがあります。これらはガイドラインの評価では「行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない」とされていますが、副作用が軽微であるため多くの市販の薬用育毛剤によく含まれている成分です。
しかし、薬用発毛剤や育毛剤、養毛剤などは、その効果を実感するには個人差が大きい薬になります。口コミではミノキシジルを配合した国内薬用発毛剤でも発毛が実感できなかったとするものも散見されます。また国内の製薬メーカーが販売する薬用発毛剤は値段も高いため、個人輸入で国内製品と同等またはそれ以上の成分を含んだ海外の薬用発毛剤を購入する人も多くいます。ただし海外の薬用発毛剤では値段が安いもののやはり発毛が実感できなかったとする意見や、また日本人に対しての治験が行われていないため、頭皮が痒くなる副作用も散見され、その発毛に対しては、やはり個人差が大きいようです。
一方でサイトプリン・ペンタデカン外用など、その発毛メカニズムが医学的に認められていないものでも、価格が安いこともあって愛用している人も多くいます。特に完全な脱毛の状態に陥るとより発毛が困難になるため、発毛を期待するよりも抜け毛予防を目的として使う人が多く、育毛剤や養毛剤といった位置づけで使われています。